MiNAMiの活動日誌

何らかのイベントや企画に参加した時の感想や各種解説を書くよ

Hyper Bass(MiNAMi Bootleg)の制作秘話とか

遅くなりましたがFAIHS to FACE 2nd actお疲れ様でした。昨年度まで地方の田舎に住んでいたのでこういった同人イベントに参加するのは初めての経験でしたが、即売会の雰囲気とクラブの雰囲気を同時に体感でき、非常に素晴らしい経験になりました。

というわけでこんにちは、MiNAMiという者です。普段は電音部楽曲のBootlegを中心に活動しているその辺のトラックメイカーです。推しのプラグインはXfer Recordsの8-bit Shaperです。(どうでもいい)

そんな私ですが、7月16日に開催されたFAIHS to FACE 2nd actというイベントで電音Codeより出展された電音部Remixコンピレーションアルバム「Break the Border」にHyper Bass(MiNAMi Bootleg)という楽曲で参加させていただきました。初投稿となる今回は、こちらの楽曲の制作秘話とかこだわりポイントとか、その辺について色々と綴っていこうと思います。長くなりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

1.なぜHyper Bassを選んだか

今回のコンピは「どの楽曲をリミックスするかは製作者本人の希望のもとで決める」という形式だったのですが、Hyper Bassは私が第1希望として挙げた楽曲でした。

実はこのコンピに参加を希望した時点では電音部にのめり込み始めてほとんど経っておらず、電音部の曲で分かるレパートリーも非常に少ないものでした。

私は10年ほど前から今に至るまでずっと太鼓の達人を遊んでいるのですが、基本的にレパートリーはそれに収録されている電音部楽曲くらいでした。曲目でいうとFavorite Days、Mani Mani、アイドル狂戦士、Hand Over、Hyper Bass、いただきバベル、Shining Lightsの7曲です。それ以外だと海月が最推しなので海月の曲をいくつか把握してたくらいです。

その中でもHyper Bassは曲自体の中毒性の高さ、低音の強さなどから特に気に入っていたため、今回のコンピのリミックス楽曲の第1希望として挙げるという結果になりました。今だと爆裂タウマゼインとかもっと別ベクトルのイカつい楽曲を選んでいたかもしれません。

2.ジャンルを決めるまでの経緯

ということがあってHyper Bassのリミックス作成に取り掛かることになったのですが、そのうえで最初に決めることがあります。ジャンルです。

そこでまず最初に私は

「曲目にBassって入ってるしジャンル名にBassってついてるやつにしよう!」

と考えました。ちなみにほんとにマジで一瞬だけHyperの方をとってHypertoneを作ろうとか考えましたが、あまりにも内容がアレだしそれ以前にREAPERでも使わない限り作れる代物ではないので即座にやめました。

(Kawaii) Future Bass、Drum'n'Bass、Bass House、HardBassなど、ジャンル名にBassと入っているジャンルは数多くあります。とりあえずはそれらの楽曲を色々聴きまくってインスピレーションを得ようとしたのですが……

「どれも分からん!どうやって作るんや!!」

となり、どれも諦めることに。そもそも、ただでさえ作曲歴も当時の時点で半年程度と短い上、その期間も全てGabberやHardcoreに注いできた私にとってはどのジャンルも未知の領域であり、とても作れるとは思えませんでした。

「やっぱりジャンルはハードコアテクノしかない」

という結果に落ち着いたのですが、やっぱり曲名に沿ってBass要素は欲しい……どうしよう……

……

………

「Frenchcoreがあるじゃん!!!」

ということで(どういうこと?)制作ジャンルをFrenchcoreにすることにしたのですが、実はHyper BassとFrenchcoreはかなり相性が良い側面があります(と思っています)。

まず初めに、Frenchcoreの特徴として基本的にBPM200付近というテンポの速さがあります。Hyper BassはBPMが180とかなり速めであり、BPMも比較的近いため、原曲に近いテンポでノれることができると思いました。本家Hyper BassはHardcoreのノリと相性がそこまで良くない気もしますが……

次に、Frenchcoreにあるパターンの1つに、メロディは声ネタに任せてリードはあまり(場合によっては全く)使わないというものがあります(具体例で言うとUSAOさんのIrrelevance(https://youtu.be/eXlK4iasI60)やPhalanx(https://youtu.be/A6wuFaV2hec)とかがそんな感じです)。こういうキックとベースで勝負する疾走感を落とさないタイプのFrenchcoreに感銘を受け、リファレンスとさせていただく形になりました。

そして本家Hyper Bass自体も、全体的にメロディはボーカルがメインでリードは少なめ(ラスサビでボーカルに合わせて鳴ってるくらい?)なので、今回のような展開と相性いいんじゃない?という考えに至りました。

3.音作り、展開など

全体の音作りとしては、私が普段よく聴いている治安の悪いHardcoreに影響されています。しかし、その上で自分のオリジナリティが出せるような、他の楽曲には見られない独特な要素を詰め込めるよう尽くしたものになっています。

まず、ジャンルがFrenchcoreということで、キックとベースの音作りには他の音にくらべて強いこだわりを持たせていただきました。基本的にFrenchcoreは耳にズンとくる重たいキックが使われるのですが、それらとは異なるリリースを高めの音にしたポップ(??)なキックを採用しています。Hyper Bassはkawaiiボーカルとkawaikunai低音が入り交じった曲(と自分は解釈しています)なため、それらの要素を自分なりに音で表現しようとした結果、このようなキックを使うに至りました。

次に、ベースについては前章でも触れたように「曲名が曲名だしベースにはとことんこだわろう!」という気持ちがあったので、今回使用した全トラックの中でもトップクラスで音作りに時間を費やしたものになっています。それに加えて、「Hyperという言葉に名前負けしないとびきり強力なベースを作ろう!」という気持ちもあり、音の歪みや低音域の持ち上げをとにかく重ねた非常に尖ったベースになっています。あまりの尖り具合ゆえ、イヤホンなどを使用して片耳だけで聴くと聴いている側の耳がくすぐったく感じます。ASMRとかが好きな人は1度やってみてはどうでしょうか。

最後に展開については、リファレンス曲の「キックとベースで勝負する、疾走感を落とさない展開」と「原曲のじわじわ音が過激になっていく展開」の双方を取り入れた内容になっています。前者については205という本コンピ最高のBPM、目立った休憩もほとんどない持続的な展開という形で、後者については2番に控えている「8小節で6種類のキックが鳴る」、「256分音符まで上昇するビルドアップ」といった過激な展開という形で意識しています。これを意識すると、私のリミックスはもちろん、原曲の聴こえ方も少し変わって来るのではないでしょうか。

4.総括

さて、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。これが最後の章なのでもう少しだけお付き合いください。ちなみにこの章だけ飲酒後に書いてるので色々おかしい部分があるかもしれませんがご了承ください…

まず初めに、今回のコンピの参加者、関係者、そしてそれを聴いている皆様、本当にありがとうございます。今回のコンピに参加するまでは独り身でマイペースに曲を作っては適当にネットの海に流すという行為を続けていたのですが、今回のプロジェクトをきっかけに自分の曲が世に知れ渡ること同じ趣味を持つ人達と切磋琢磨していくことの2つを存分に体験することができました。事実として、今回のプロジェクトが始まってから音楽ジャンルやプラグイン、音作りのテクニックなど、自分1人では知る由もなかったであろう知識をふんだんに得ることができました。そして、いつかはそういった知識をインプットする側からアウトプットする側の人間になりたいと思いました。そしてみんなで治安悪いHardcoreを作りましょう。

今回作成したリミックスについては「100%を出せた!大満足!」とはいきませんが、それでも自分のできることをやれる限り詰め込んだ渾身の一作になりました。コンピ効果もあるとはいえSoundcloudの方でもこれまでに比べて再生数の伸びが早く、少しづつ自分の成長を感じました。

実はちまちまエゴサもしていたのですが、私のリミックスのデモに対して「めっちゃ好きなやつ」という反応があったのを発見し、その時は自分の曲が需要にこたえることができたということを実感し、とても嬉しかったです。

ところで今回作成したリミックスについてですが、ぶっちゃけクラブで流してもらえることは想定していません。だってBPM高いし音やかましいし区切るタイミング分かりづらいし。こういった部分を意識しながら曲を作れるようになることに対しても、成長の可能性というものを感じました。

 

さて、今度こそ終わります。改めてここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。今以上にハードでレベルの高い楽曲を作れるよう今後も精進していきます、よろしくお願いします!それでは!